ネタバレ注意。
ここから二冊は、先月の帰省時に図書館で借りて、時間のない中必死こいて読んだもの。まずは昨年のイヤーベストを席巻したこちらの作品。
このシリーズははじめてだが、ホラーは基調となりつつも『背の眼』のシリーズより本格してるし、雰囲気も好みだった。正史をさらに怪奇的にしたような、山村陰惨本格である。
中心的なあるプロットによって、頻出する首無し死体の謎が、綺麗に論理に落としこまれる手つきは見事。なによりそのシンプルな上質さが印象深い作品だった。そこから大きくはみ出す部分、トゥーマッチな怪奇趣味や、ラスト間際のどんでん返し連続展開は、その余剰を愛する人も多いのは理解できるながらも、俺にとっては「愛嬌」だったかな。
評価はB+。
- 作者: 三津田信三
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
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