The ピーズ 『ブッチーメリー The ピーズ 1989-1997 SELECTION SIDE A』

編年ベストの前期。
純度100%のパンク。下品で破れかぶれで、可笑しくて哀しい。スッカスカのスリーピースの中に、全部ある。
大学生とかの時に、ちょうど復活したばかりの時期の音源聴いて、なんかしっくりこなくって。いやほらその頃って変に「ロックの文学」とか考えて頭でっかちにACIDMANとか聴いたりするでしょ? それはそれでいいんだけど、今こうやってさらに遡って聴くと、これも間違いなく一つの文学なのだということに気付く。
《ピンクがくろい》だの《タマを絞れ》だの露悪しまくって、「便所モンキー」とか特筆すべきゲス曲もあったり、だけどそういう衒いのないバカさ加減が、慰撫されるとかそんなんじゃないんだけど、なんかすごく優しいんだよね、「やっとハッピー」「鉄道6号」「日が暮れても彼女と歩いてた」なんかの後期普通に詩情湛えた楽曲を待つまでもなく。
「ブリーチ」に描かれる家族模様も微笑ましいし、「日本酒を飲んでいる」の《怠惰な時間に屁が出そう》って歌い出しも最高。こんだけ徹底してバカやられたら、のっかるしかないわな。

ブッチーメリー The ピーズ1989-1997 SELECTION SIDE A

ブッチーメリー The ピーズ1989-1997 SELECTION SIDE A