ネタバレ注意。
高値安定の岡嶋二人、今回はミッシング・リンクものですが、謎の提示の巧さ、警察の「秘密部隊」なる設定を持ちこんでのクレバーな捜査の過程が読ませます。
「読み進むほど謎が魅力的になっていく」(意訳*1)という貫井徳郎の解説も、岡嶋二人作品を読んでいる時のテンションのアガり、没入感をうまく説明していると思います*2。
この作品は自己評価も低いらしく、確かに犯行はリスクに見合ったものではないし、解決含めてエレガントさには欠けるように思いましたが、岡嶋ミステリの魅力は「真相」が、あるいは「謎」そのもののカタチが徐々に明らかになっていく過程にこそあり、そうした意味でこの作品も愉しめました。菱刈さん、クレバーでありました。
評価はB。
- 作者: 岡嶋二人,貫井徳郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/07/04
- メディア: 文庫
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