栗本薫『エーリアン殺人事件』ハルキ文庫

ネタバレ特になし。
スラップスティックSF。
「殺人事件」のタイトル通り、不死身のエーリアンが殺されたり、エーリアンに食い殺された被害者の死体消失など、ミステリライクな状況が提示されもするが、それは論理的あるいはサプライズによる解決を志向したものではない、完全な添え物。
というかそもそも、ミステリとしての結構以前に、一編の小説としての完成と評価を求めた作品ではないように見える。全編を覆うチープな下ネタとドタバタは、ここまで徹底してくれればいっそ爽快で好印象なほどに白痴的である。
売る。
評価はC。

エーリアン殺人事件 (ハルキ文庫)

エーリアン殺人事件 (ハルキ文庫)