amazarashi 『七号線ロストボーイズ』

7th(オフィシャルでは6th)フル。

県道に象徴されるローカリズム、そのものズバリの失った…かつての…少年たちという名付け。もはやタイトルだけで100点のさすがの作品です。

前作『ボイコット』のような名曲雨霰という感じではないですが、それぞれの表情と感傷で胸を撃つ佳曲揃いです。ザラついた疾走感の「火種」、勇壮なアンセム「境界線」、イントロからして泣かせにきてるのに《泣かないで》は無理だろう「ロストボーイズ」、「間抜けなニムロド」「戸山団地のレインボー」「空白の車窓から」はどこまでも美しく感傷の風景を描き、「かつて焼け落ちた町」「アオモリオルタナティブ」で謳われる町の歴史と現在の息吹も、まるでそこに生きているような愛着をもたらしてくれる。そして未来とあなたに繋がる「1.0」のスケール感、その肯定のあたたかさが胸を浸して。

何も変わらぬ表現の核と、枯れることない歌心。amazarashiがamazarashiでい続けてくれていることに感謝。

失敗や困難だらけの僕らだから 僕らだけの景色を描けるはずだよな
その返事みたいに 合図みたいに虹が架かった 道は繋がった
(「戸山団地のレインボー」)