森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』角川文庫

ネタバレ注意。

勤勉な小四男子・アオヤマくんの住む地方新興都市に、突如ペンギンが出現して始まる騒動を描く、ジュブナイルSF。

ぶっちゃけこの話、面白いですか…? アオヤマくんの老成したキャラも、最初はいいけどだんだんクドくなってきません…?

…なんて思いながら読んでたけど、ラストではまんまと泣かされたのでした。なんというか、作者は結局、このロマンティシズムとセンチメントを描きたかったのだな、というのが分かるラストだし、それは見事に結実している。

思えば森見、女性キャラを魅力的に描くことにかけてはもともと卓抜なのでした。

評価はC+。