初野晴『トワイライト博物館』講談社文庫

ネタバレ注意。

孤児の中学生が、魔女狩りの中世にタイムトラベルする、ファンタジック・ミステリ長編。

魔女狩りの史実を絡めたプロットは好みだったし、そこでの「奇跡」を暴く手つきも予想外に「本格」していてよかった。異端審問官との対決ってのは燃えるよね。

しかし全体の印象は、描写やキャラ造形が変に上滑ってて、読んでていたたまれないものがあったな。特に勇介と枇杷、まさに中心となる二人のイノセンスや直情性を、「イタさ」としてしか感じられなくてツラかったです。

評価はC。