『スープとイデオロギー』

@横川シネマ

韓国現代史における民間人虐殺事件、「済州4.3」の記憶を中心に、在日コリアンの母娘の葛藤が描かれるドキュメント。

すごくいろいろなことを考えさせてくれる映画でした。家族について、記憶について、イデオロギーと生き方について、人生における選択と結果、それらへの向き合い方について、消えてしまうものと、受け継がれるものについて。

まったく知らなかったこと…世界史的な悲劇…と、よく見知ったこと…ありふれた家族の風景…の狭間で、複雑な感情が喚起されます。ジャーナリスティックな題材を、普遍的な愛情とリスペクトを基盤にまとめ上げた素晴らしい仕事だと思いました。済州の研究所で涙にくれるヨンヒさんに、オモニが手を伸ばすシーンは涙せずにいられなかった。

オモニのこれからの生活が、心身共に少しでも安らかであるように願います。