ソラシド本坊元児『脱・東京芸人 都会を捨てて見えてきたもの』大和書房

ネタバレ特になし。

本坊さんの「住みます芸人」としてのエッセィ集。

バイト芸人としての『プロレタリア芸人』より力が抜けて、ナチュラルな筆致*1に人生の充実が滲む。ルサンチマンも抑えめで、微笑ましい好エッセィです。

芸人仲間はじめ、周囲の人々との交友の様子が、彼の「成功」がなにより本人の人間力の賜物であるということを自然に感じさせてくれて、その無作為の滲出が素晴らしい。川島との対談にもそれが表れてるし、そしてなにより大悟の帯文、こんなんなかなか書いてもらえまへんで。

今後どこでどういう仕事をされるにせよ、この素敵な芸人と故郷とが縁で結ばれたことを嬉しく思います。

評価はB。

*1:が行き過ぎて読み難く、編集仕事せーよ、という感じも否めないが笑