辻村深月『太陽の坐る場所』文春文庫

ネタバレ注意。

東京近郊の地方都市、高校のクラスメイトたちの、十年後の群像を描く長編。

久々にやべーもの読んだな、という感想…悪い意味で。登場人物たちを掘り下げようと、これ見よがしな描写を重ねれば重ねるほど、空々しく、痛々しくスベり続けていく、正直言って読むに堪えないものだった。叙述トリックも小賢しさが鼻につくだけで、辻村深月という作家の苦手な部分が全開になったワースト作。

青春ミステリから脱皮して大人の世界を描こうと力入り過ぎたんかな…紗江子と貴恵の章のラストシーンだけは悪くなかったが。あと地味に装画も酷い。

評価はD。