市川憂人『神とさざなみの密室』新潮文庫

ネタバレ注意。

「パヨク」のJDと、「ネトウヨ」のオタクが、死体と共に密室に閉じ込められる、ポリティカル・スリラ本格。

密室劇としての妙味、政治的な批評性、共に作者らしいスマートさで面白いのだが、ミステリとしての真相は、うーん…という感じか。大輝くんがスマホ隠そうとするところとか、細かい心理劇が読ませるので、そういうのを伏線にしながら真相に繋げてくれてたらな…と。

「毒殺」のトリックはよい創意だった。

評価はC+。