島田荘司『寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁』光文社文庫

ネタバレ注意。

マンションの浴室で見つかった顔の皮を剝がされた女の遺体と、被害者が死亡推定時刻の後に寝台特急に現れていた謎に挑む、吉敷竹史シリーズの第一長編。

謎に吸引力があるし、それを全国駆け回って深めていく過程もさすがに読ませるもの。真相も納得性が高く、綺麗にまとめてなお、もう一段階のツイストを効かせる執拗さにも気合を感じる。

初期作にして、既に充実期の貫禄を感じさせる意欲作。綾辻解説にも史的価値あり。

評価はB。