D.ウィンズロウ/東江一紀(訳)『犬の力』角川文庫

ネタバレ注意。

ラテンアメリカを舞台に、三十年におよぶ麻薬戦争を描く長編バイオレンス・アクション。

サーガ的なスケール感と、稠密な描写を併せ持つ巨編。マフィアものとしての映画的感興とカタルシスはたっぷり、キャラクタもしっかり立ってて、ストーリィテラーとしての実力は言うに及ばない。

しかしそのウィンズロウをもってしても、さすがに長すぎはしまいか…なんて読んでる間は思ってたけど、クライマックスの橋上でのドンパチなんて非常に映画的で引き込まれたし、カランとノーラが救われてよかったわ(小並感)。

評価はC+。