村上春樹『アンダーグラウンド』講談社文庫

ネタバレ特になし。

地下鉄サリン事件の被害者、家族、ケアにあたった関係者へのインタビュー集。

加害者ではなく被害者に向き合った、このケースにおいては稀有な仕事。誠実さが生んだ蓄積の中から、日常がふいに破壊される、現実感の薄さ、そしてそれ故の恐ろしさが顔を出す。和田さん、明石さんへのインタビューはその白眉で、理不尽さといたわしさにどうしたって泣けてきます。

しかし(あるいはこの時代の)日本人の驚くべき勤勉さときたら…まあ今もコロナ禍において同じような状況かもしれませんけどね。

記録のみ。