島田荘司『ゴーグル男の怪』新潮文庫

ネタバレ注意。

原子力企業の城下町を跳梁する「ゴーグル男」と、惹起される殺人を描く長編。

JOC事故を想像力の中心として、読ませる作品ではあれ、ミステリとしての結構はあまりに粗雑では…と。

必然性のないケレンや、放り出されたままのハッタリが多すぎる。「端整さ」なんて、島荘に求めるべきものでないことは分かっているつもりだが…。

評価はC。