道尾秀介『ラットマン』光文社文庫

ネタバレ注意。

社会人バンド"Sundowner"の周辺で起きる殺人事件を描くミステリ。

プロットとその意外性、ポスト青春バンド小説としてのビターさ、いずれもちゃんと構築されていて、達者な小説だとは思うけど、同時に小癪な印象がまとわりつくのも否めない。特に恋愛部分のノリノリな感じ…特に桂との夜の描写とか…は読んでてひいてしまった。

まあでも一番残念なのは、エアロスミスだのミスタービッグだの、出てくる音楽要素があまりに垢抜けない点か。バンド小説なのに…。

評価はC。