柳広司『シートン探偵記』文春文庫

ネタバレ特になし。

A.T.シートンを探偵役に、『動物記』の動物たちが絡む事件が描かれる連作。

この作者らしいオマージュ・ミステリで、『動物記』は小学校の入学記念に祖父母にもらった読書の原体験でもあり、懐かしくも愉しくもありました。

そうした個人的な思い入れを抜きにして、各編のミステリとしてのクオリティや知的興奮という部分には、もう一段のものが欲しかったようには思うけれど…。

評価はC+。