MOROHA "諸刃TOUR"

2021.9.4@広島クラブクアトロ

MOROHAのツアー、広島のお相手はカネコアヤノという垂涎のツーマンに、両者および広島でのライヴ童貞を奪われてきました。

・カネコアヤノ
弾き語りセット。
もはや散々に言い尽くされていることだけど、ハコのチリひとつまで余さず振動させようというような、声の圧倒的な「大きさ」。もっと叙情的にも感傷的にも表現できる世界観を、ああもまっすぐに、衒いのない大声で歌い上げるというのは、それが彼女の表現衝動であり切迫感なのだろうと、改めてオリジナリティに感じ入りました。白ワンピースの細身の淑女、どっからあの声出してるん…?
音源で散々聴いた曲たちにも新たな光が射したように感じましたが、やはり「光の方へ」と「アーケード」はアガったなあ。「抱擁」なんかもビンビンに響きました。かっこよかったです。

セットリスト:1.爛漫 2.セゾン 3.グレープフルーツ 4.手紙 5.星占いと朝 6.孤独と祈り 7.窓辺 8.栄えた街の 9.ポップなおんな 10.朝になって夢からさめて 11.ごあいさつ 12.光の方へ 13.明け方 14.アーケード 15.抱擁



・MOROHA
冒頭で広島と名古屋を間違えるというヤラカシがありましたが、その後の社会風刺を絡めたリカバリィが抜群で、これぞ怪我の功名、諸刃だけに、と愉快でした。さすがのショーマンぶり。
動画を漁るぐらいで、これまでなぜかよいリスナになっていなかった僕ですが、ガッツリ涙腺もってかれました。演劇的なパフォーマンス…カネコアヤノとは対照を描いて感じられる…の中で、言葉の切れ味とそこに託されたエモーションが堪能できます。またそれを彩り推進するギターは、これが多分一番美しい音色の楽器だと思わせてくれる見事なものでした。
一番涙腺殴打されたのは「三文銭」。

届くかい? ハニー ブラザー シスター
テレビじゃなくて ラジオでもなくて
あなたの口元から この曲が流れた時に
ほんのわずかだとしても
世界を変えたと胸を張れる
(「三文銭」)

今回はマスクの奥で噛み締めた歓呼と喝采を、早く満場に響かせることができますように。