『ボヘミアン・ラプソディ』

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クイーン結成からLIVE AIDでのパフォーマンスに至る、フレディ・マーキュリーの伝記映画。

大ヒット映画ってものに対してはどうしても斜に構えてしまうところがあるし、それはロック史上に燦然と輝くモンスター・バンド、そのフロントマンに対しても同様で、あまりのめりこめないかなーと思っていたけど、なんてことなく、音楽の力に打たれて泣きました。

観る前に作品情報で尺を知って、イメージより短い…生い立ちから丁寧にやったら三時間じゃきかないだろうと思って…ので、かなり大胆に捨象されているのだろうと思ってはいた。実際前半はかなりハイテンポで、なんか安手の青春バンド映画みたいだけど、後半、フレディの孤独の心象は繊細に描かれていたし、それが昇華されるハイライト、LIVE AIDのステージは、「パフォーマー」としての魂の在処が表現されて感動的だった。ほとんどフル尺でそれにフォーカスされるのも、冒頭に置いてそこからカットバックされるのも納得の演出。泣きました。

ボヘミアン・ラプソディ」という稀代にして奇態の名曲は、何より作品の主題を表しているだけに、もっと作中突っ込んでほしかったようにも思えるけど、タイトルにそれを暗示するぐらいが品がいいのかもな。本人のアクト以上に雄弁なものなど存在し得ないわけだし。

ボヘミアン・ラプソディ (字幕版)

ボヘミアン・ラプソディ (字幕版)

  • 発売日: 2019/04/17
  • メディア: Prime Video