皆川博子『U』文春文庫

ネタバレ注意。

第一次大戦独軍の機密作戦と、17世紀オスマン・トルコに矯正徴募された少年たちの運命が交錯する、歴史伝奇長編。

オスマン・トルコの伝奇って珍しい題材で読ませるが、奇想の部分でちょっと物足りないかな、って印象はあった。それだけ御大に求めるハードルが高すぎるんだけど。しかし御年90、バケモン(敬称)だろ…。

直截的なモチーフに止まらず、作品の志向的にも、皆川版『アンダーグラウンド』だなあ、つって読んでたら、巻末往復書簡で言及されてて嬉しかった。

評価はC+。

U (文春文庫)

U (文春文庫)