ネタバレ注意。
明治期横浜の遊郭から始まり、映画と映像の世紀に関わっていくことになる女系一族と、世界史の裏面にある兵器としての映像についての長編SF。
序盤の偽史伝記的な展開は本格的で面白かったんだけど、終盤でお話が現代に近づき、SFとしての相貌が露わになるにつれ、SF苦手系ミステリ読みの俺は案の定テンション落ちた。
直近の芥川賞作家だけど、出自は創元のSFなんだね。内容・版元もあいまって『赤朽葉家の伝説』を想起したが、桜庭とはまた違ったトガり方をしてる。途中までは直木賞もいけんじゃねと思ってたぐらいだったし、タレントのある未知の作家がいっぱいいるなーと。
評価はC+。