ネタバレ一応注意。
富豪の老婆の刺殺事件と、その現場である邸宅の時計がすべて三時をさして止まっていた謎を描く長編。
メインの謎はシンプルにそそられるものだったし、この作家らしくイキのいいキャラクタたちのドタバタも愉しかった。だけど作品としての主眼がコミカル・ロマンスに寄り過ぎていて、ミステリとしてはおざなりの感が否めなかったな。
でもまあ、ジェイクとヘレンのロマンスはまあまあ素敵だよ。
「一つだけ確かなことがあるわ」コートをまといながらヘレンが物思いに沈んだ声で言った。「こんなこと続けてたら、遅かれ早かれあたしたちのどちらかが強姦の犠牲者になってしまうってこと」
ジェイクは彼女をじっと味わうように見つめた。「そうだな。もしその犠牲者がぼくのほうなら、抵抗はしないつもりだよ」
(149-150p)
…抜き出してみたらイタかったわw
評価はC。
- 作者:クレイグ・ライス
- 発売日: 1992/01/25
- メディア: 文庫