S.ラシュディ/寺門泰彦(訳)『真夜中の子供たち』岩波文庫

ネタバレ一応注意。

主人公・サリームとその一族、そして時を同じくして生まれた「真夜中の子供たち」の数奇な運命を、インド近現代史と重ねて描く、マジック・リアリズム巨編。

まさに大河小説、と言うべき大部。それを読みきったという達成感が先に来てしまい、小説として評価できる段階に(俺が)至らない…いずれ破格の作品ではあるし、ハードルとしてはかなり高く、愉しんで読んだかと言われると正直微妙なところ。『百年の孤独』はもう少し愉しかった気がする…。

しかし古今東西を通して人の愚行は絶え間なく、それこそが世界史であり、世に物語の種は尽きないのだな。いいのか悪いのか…って絶対悪いよな。

記録のみ。