H.A.ジェイコブズ/堀越ゆき(訳)『ある奴隷少女に起こった出来事』新潮文庫

ネタバレ一応注意。

1813年、奴隷身分として生まれた黒人少女の苦難を描くノンフィクション・ノベル。

体験者の視点からの一代記で、生々しくて胸が塞ぐ。人の権利を取り戻したすべての努力にリスペクトを、なんてノートには書いてたけど、ブログに移す段階ではそれがまだ血を吹く切実さで継続している世界が露わになっていた…レイシズムに死を。

そもそもこの本じたい、別に中世の話じゃないんだぜ。ヤバいわ世界。そして現代にあっても、リンダがすがった家族の絆にも、同胞の連帯にも期待できない、むしろそれらによって傷つけられている、差別状況にある少年少女はいるんだよな…。

何かできるんだろうか。

記録のみ。