ネタバレ注意。
マコトとタカシの高校時代、「池袋のキング」の誕生を描くスピンオフ。
解説の辻村深月に共感が深い。同世代としてこのシリーズに思い入れは強いし、いまだにTVドラマではこれを超える作品を目にしてない。
しかし残念ながら、小説はシリーズを追うごとに密度とテンションが落ちていっている、その延長線上にこの長編もある。シリーズピーク時の短編一つ分にも内容が満たない…エピソードも、マコトのモノローグも。特にモノローグの内容のなさはいっそ痛々しいまでに感じる。
この薄っぺらく幼い感じは、単に「青春篇」としての時系列のせいではないと思う。テキトー以前の出涸らし感がせつない読書だった。
評価はC-。
- 作者:石田 衣良
- 発売日: 2014/09/02
- メディア: 文庫