ネタバレ注意。
「霊媒探偵・城塚翡翠」が、いくつかの殺人と、その裏にある企みに挑む連作。
昨年のミステリ系ランキング総ナメの話題作。評判を聞いて、全く先入観を排して読むことはできなかったが、それを差し引いても、この作品の企みとその衝撃は、「そこまでか?」という印象が否めなかった。特に鶴丘君周りなんてバレバレだった。
まあでも、非常に緻密な構築がされていてそれは美点だと思うし、キャラクタ小説としての反転も楽しいものではある。作家がこれまでのスウィートな作風を逆手に取ったというメタ的な趣向は、一冊しか読んでないので味わいきれてないと思うけども。
こうして野心的、かつポップな作品が評価されて陽の目を見るのは、ジャンルとして健全なことでしょう。そういえば健全なセリフに笑ったのでメモだけしときます。《ふとももイイっ!》(210p)
評価はB-。