岡田秀文『黒龍荘の惨劇』光文社文庫

ネタバレ注意。

明治二十六年、政府に食い込んで財を成す富豪の邸宅に連続する殺人事件を描く、月輪龍太郎シリーズの長編。

非常に野心的なプロット型本格。明治を舞台としながら、事件のプロットが明らかになるとそれが一転して「現代」に接続されるあたり、カタルシスがある。気持ちよく気持ち悪い、そんな感じ。批評的というよりは、プロットに説得力を持たせるため、という演出の要素が強いみたい(解説で作者のぶっちゃけが触れられてる)だけど、それはわざわざ言わんでいいんちゃうかなw

筆の運びに若干の冗長さは否めないけど、こうしてディテール積んでくのも本格だしなー。

評価はC+。

黒龍荘の惨劇 (光文社文庫)

黒龍荘の惨劇 (光文社文庫)