いしいしんじ『海と山のピアノ』新潮文庫

ネタバレ特になし。

九編からなる短編集。海と音楽が通奏低音

いや、何食ったらこんな小説が書けるんだろうと思う…三崎のマグロかやっぱり。

豊穣なイメージと、奔放な物語、ふとした描写の端々に涙腺をやられる、生きた文章とそこに湛えられたエモーション。個人的に《絵筆をとったミドリ先生が陶器のようにほほえむ。》(268p)がやばかった。

唯一無二の小説世界。いしいしんじの前にいしいしんじなく、いしいしんじの後にいしいしんじなし。

評価はB。

海と山のピアノ (新潮文庫)

海と山のピアノ (新潮文庫)