岡嶋二人『そして扉が閉ざされた』講談社文庫

ネタバレ注意。
四人の男女が核シェルタに閉じ込められ、かつての友人の死に向き合わされる、クローズド・スリーピングマーダー・ミステリ。
多分再読なのだけど、プロットがまったく記憶に残っていなかったのは、島荘解説にも端的なところの、岡嶋二人屈指の傑作という世評に反して、俺個人としては嗜好に合わなかったのであろうと妙に納得した。
ミステリとして意外性のあるプロットではあるし、リーダビリティもさすがだけど、お話の多くの時間があまり賢くない若者たちの痴話喧嘩に費やされていて、正直辟易させられました。
ラストの余韻も、それが狙いとは言え、あまりに索漠として虚しい。
評価はＣ＋。

そして扉が閉ざされた (講談社文庫)