ネタバレ注意。
歌舞伎界を中心とした芸事の世界に起きる事件を、老優・中村雅楽が解き明かすシリーズ短編集。
本業の歌舞伎・演劇評論で一家を成した作者らしく、梨園・業界の知識は無尽に、また『Yの悲劇』や『時の娘』の換骨奪胎など、ミステリへの通暁も縦横に活かされている。洒脱な「オトナのミステリ」が構築されていると思います。
ただ個人的には、頻出する専門用語がかなり消化不良だったし、プロットに新味を感じないものも多くて、いまいち肌に合わず。この分量読み通すのにはかなり体力使った。次巻「グリーン車の子供」の評判は聞くが…わざわざ買ってまでとは思わないかな。
評価はC。
- 作者: 戸板康二
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2007/02/28
- メディア: 文庫
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