ネタバレ注意。
短編コレクション。
いずれも凝らされたアイデアに見るべきものはあるが、トリック本格原理主義を標榜してる割には、やはり人生悲劇をどう作話するかって方に比重が拠ってる印象。それがホワイダニットに効果的に繋がらないものであるなら、大げさな「ドラマ」読まされても醒めるだけ。
前読んだのもそうだったけど、全体に漂う倫理観・女性観の古臭さ、頑迷さはどうしても印象悪い。特に「判事よ〜」の売春婦の扱い、ありえないやろ。女性読者の意見聞いてみたいわ、いたらだけど。
その弱点は共通しているけど、「傷だらけの街」に描かれた都市に生きる現代女性の絶望は読み応えがあって、この本の中ではベストだったかな。
評価はC。
粋理学入門/判事よ自らを裁け―土屋隆夫推理小説集成〈7〉 (創元推理文庫)
- 作者: 土屋隆夫
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2002/03
- メディア: 文庫
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