樋口有介『不良少女』創元推理文庫

ネタバレ一応注意。
柚木草平シリーズの中短編集。
いつも通りド安定の面白さ。言うまでもなくこの作家を読む大きな愉しみである女性キャラの魅力については、短編だとさすがに深まりきらない感じで、やっぱある程度のヴォリュームがある表題中編、小鳥遊ユカ嬢が出色であったかなあと思います。

東京って街はレズから売春婦まで、まったく、いい女が多すぎる。
（「スペインの海」、235p）

その観点で、杉江松恋解説における、シリーズ女性キャラリストは労作だし読み応えがある。そして何より、読んだ端から忘れてく乱読家の俺でさえ、主要キャラはちゃんと印象残ってて、思い出せるってのが凄い。
評価はＢ。