東海テレビ取材班『名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の半世紀』岩波書店

ネタバレ特になし。
事件とその後の裁判、再審請求の闘いを描いた映画の原作本。
読む前から分かっていたことだけど、司法の頑迷に腸の煮える思いがいたします。いっそ読むのが面倒なほど、細密を極めた行動分析・証言検証がなされ、王冠や毒物に関する科学的な反証がこれでもかと提出されているのに、自らの面子と権威主義に拠った、なんら正当性のない「言説」を弄してそれを切って捨てる連中の厚顔。
そのトップから連なる権力の構図において、あまりに恥知らずが多過ぎてこっちが恥ずかしくなってくるこの国が、法治国家、近代国家の名に相応しいものであるのか、疑問…というか絶望をおぼえますね。
記録のみ。

名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の半世紀

名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の半世紀