ネタバレ注意。
副題は「金子みすゞ殺人事件」。みすゞの故郷で、その詩に導かれるように起こる連続殺人事件を描く、一尺屋遥シリーズの長編。
登場人物たちの行動がご都合主義だったり支離滅裂だったりで全くのめり込めなかったし、解決も大して面白味のないプロットを探偵が延々語るだけ、見た目は派手な密室…ホテルのガラス張りの部屋が水槽に見立てられて死体が浮かぶ…もなんの必然性もない虚仮おどし。金子みすゞの詩との絡みとか、文芸ミステリ的な興趣なんて望むべくもない。読んでて醒めるだけだった。
この作家はこれで最後だな…この作品の前にも『屍蝶の沼』ってのを酔っ払ってバスで失くしたんだけど、惜しいのはブックカバーだけだった。
評価はC−。
- 作者: 司凍季
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2002/04
- メディア: 文庫
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