Creepy Nuts 「高校デビュー、大学デビュー、全部失敗したけどメジャーデビュー。」

1stシングル。
土壇場での発売延期によって、見事メジャーデビューも失敗したってオチはかなり好きです。
「メジャーデビュー指南」は、メジャーデビューを控えたRが、地元のツレにいろいろとイタいアドバイスをされるという落語的二人芝居から、アッパーなフックになだれ込む構成。豪奢なトラックも、フックの昂揚感も「メジャーデビューシングル」たる威勢を備えていますが、こういう曲にも落語部分での自己批評性、さらに言ってしまえば含羞を滲ませてしまうところがRの業が深いところ。単純にニヤつけるってのもあるけど、こないだフリースタイルダンジョンでのライヴ観てたら落語は完全に脚本変えてやってたので、舞台とシチュエーションに応じて自在に演出することのできる、なかなかに戦略的な構造としているのはさすがと思いました。
もう一曲「だがそれでいい」は、表題の様々なデビュー失敗のイタい思い出の活写(?)と、それを引きずって進む、力強い宣戦布告。Creepy Nuts、R-指定の芸風のまあド真ん中、新鮮味はないけど安定感はありますね。俺もカラオケで周りの知らない歌うたうタイプだから共感深いで。
そしてこの盤には一時間強のネットラジオ音源収録。この中での様々なピー音が発売延期の主要な理由ではないかと推測されるので結構な痛恨事…メジャーデビュー失敗の貴重な記録です。バトルにおける絶対強者ぶりとは全く異なるRの普通のお兄さんみたいなキャラは好感度高いけど、DJ松永氏は声質も軽めのキャラも友人に似てて結構イラっとしました。
…ラジオ音源は一回聴いたら充分だなw