ネタバレ一応注意。
現代日本で、あるカルト教団の暗躍と盛衰を描く長編。
『邪宗門』*1と比べてしまうと、文章も、人物造形も、哲学・神学要素も社会批評も、すべてが「若く」感じられてしまうのは事実。
でも俺は、ここに描かれるような義憤や理想主義を「若い」と嗤うようなことはしたくないし、《共に生きましょう》というピュアネスの側に身を置く者でありたいと思っています。
ダークでマッドなものを期待して読んだのだけど、登場人物を通じて披瀝される理想論に心洗われるようでいて、かつ官能描写に半勃起、という読書でありましたw
評価はC+。
- 作者: 中村文則
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2017/06/22
- メディア: 文庫
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*1:最近こればっかだな…しかしそれだけ、この作品は小説を量るモノサシとして、自分の中に大きな位置を占めるようになってしまった。