能田達規「マネーフットボール 5-7」(完結)芳文社コミックス

N2リーグのクライマックスを経て完結へ。
カルロスその人よりも、通訳のガンジーさんの描写が忠実なことにニヤリとしてしまうJリーグマニアにとっては、当然くすぐりの多い作品ではありましたが、終盤の展開はいかにも拙速で、いろいろ事情は推察されるところだけどまあ、残念でした。『ORANGE』のクライマックス、レオーネ戦の描写に比べて、この作のクライマックスが五輪体操のパロディってのはいかにも虚しい。Nボックスだとか、レジェンダリィなネタも絡んできて、海外ネタもあってで、もっと時空間的にスケールのある話になったかと思うと…ね。
やっぱ全体として、「金」って最初のコンセプトが足引っ張った感じがするな。たまに思い出したようにカジが発奮する材料程度のものだし、結衣ちゃんとの話もそれに絡めてもっと葛藤が描けたと思うけれど。サッカーで『グラゼニ』やります、て企画書じゃないと通らなかったんかな…。
でも最終節前の強化部長の述懐とか、船井の家族が喜んでるとことか、やっぱサッカーっていいよね、って涙ぐましいシーンもあってよかったです。今ネットでやってる千葉サポ女子二人のスタグルマンガも読んでますので、ますますのご健筆を期待しております。