Creepy Nuts 『助演男優賞』

2ndEP。
前作は非常に愛聴したのでかなり高い期待のあった2ndですが、んー、期待が大きすぎたってのが正直なところ。
HipHop業界への批評性・シニシズムと、ユーモアにくるまれた非リア充としてのルサンチマンという芸風は変わっていない中で、前者においては「みんなちがって、みんないい」のような、クリティシズムがエンタメに転化する表現のキレ、後者においては「合法的トビ方ノススメ」のようなアッパーチューンへの昇華、前作にはあった達成が見られないのが残念…と言うか、その2大アンセムを超えられなかったなーという印象。「中学12年生」や「たりないふたり」の方がユーモアでも勝ってるような印象もあり。
表題曲はタイトル見た瞬間のイメージを超えないし、「教祖誕生」は今さらネット/SNS批判かよ、と思うし、「どっち」のドンキ/ヴィレヴァンという二項対立は、一曲保たせるにはもうひとネタ欲しいなーと思ってしまう。
「朝焼け」とか「未来予想図」なんかで聴けるように、ささくれだった焦燥感のようなものが新機軸として見えるので、現在のR-指定のモードはそっちなのかも。バトル界隈の現状認識としては、さすが押しも押されもせぬトップランナとして正しいとは思うけれど。
それはそれとして、呂布、R倒さねーかなー。

助演男優賞

助演男優賞