ネタバレ注意。
女性私立探偵・笹原里子の活躍を描く、ハードボイルド連作。
描かれる事件は陰惨で救いがなく、そんな中で主人公の里子さんも遠慮会釈なくリボルバーぶっ放すしで、実際かなり硬派なハードボイルドです。
会話主体でテンポのいい展開で、暗い話をぐいぐい読ませて、またその中にキラリと光る文章表現や、遠藤警部という愛すべきキャラクタがみたらしてくれる笑いなど、作家性も発揮されている。何書かせても巧い。
わたしは粉雪を顔に受けながら頭を高くもたげ、心の中で三拍子を数えながら、優美なポーランドの婦人のように歩いた。
(30p)
とか、いい文章だな…。
評価はB−。
- 作者: 芦原すなお
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2005/10/30
- メディア: 文庫
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