ネタバレ注意。
大阪府警捜査一課シリーズ。主人公はまたも替わって、ブンと総長の同僚、吉永刑事。美術業界、贋作事件の絡んだ殺人事件を描く。
「ギョーカイ内幕もの」としては、テンポもよく、シンプルで面白いと思った。海運業界よりは興味のある業界だったし。
美点でもあるシンプルさ、しかし犯人の造形とドラマに対しては、深みを奪ってしまったような気もするなー。プロットにおいて、動機とかいろいろ分かり易すぎる。『ロング・グッドバイ』的な、「異色の名犯人」を狙ってただろうし、テリー・レノックスまでは無理でも、そこそこ面白いキャラになってたのに。
ラストシーンの台詞なんかも、ちょっとクサいながらに素敵なんだけどな…。
評価はC+。
- 作者: 黒川博行
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2004/09/28
- メディア: 文庫
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