今邑彩『翼ある蛇』角川ホラー文庫

ネタバレ注意。
前作に続く「蛇神」シリーズ。
つながりはあるけど、主人公も、メインのサイコホラー趣向も、それぞれ独立性のあるもの。サイコホラーとしては残念ながら陳腐なものだし、トンデモな作中コラムが延々続くのも勘弁してほしかったし、「お気に入り」の機能に関する細かい説明とか、IT黎明期の雰囲気がかなり古色を帯びていたりと、なんだか全体的に垢抜けない小説。
蛍子が火呂に宛てた手紙にだけ、不覚にもほっこりじんわりしてしまったけど、ホラー小説に求めるものじゃない。
評価はC。