柴田翔『されどわれらが日々―』文藝春秋

ネタバレ一応注意。
60年安保闘争から続く若者たちの生と性を描き、いくつかの死と遺書が提示される青春小説。1964年芥川賞
時代背景には興味があって、その回顧の中でよく語られている小説だったので某所で手に取ったのだけど、人物や挿話に、残念ながらまったく感興がなかった。味も素っ気もない春樹みたいだし、出てくる人間が誰一人として好きになれなかった。こんな「われらが日々」じゃなくてよかったと心底思った。
併録「ロクタル管の話」は、真空管ラジオに血道を上げる中学生を描く回顧エッセィ風の小品だけど、なぜこんなにテイスト違うもの並べてるのかもよく分からなかった。
評価はC。

されどわれらが日々ー (1964年)

されどわれらが日々ー (1964年)