Creepy Nuts 『たりないふたり』

1stEP。
言わずと知れたMCバトルの一大スター、R-指定のユニット。童貞DJ松永氏との1MC1DJ。
MCバトルの動画観て休日の午前中が過ぎることもある今日この頃、その中でも圧倒的な押韻のスキル*1と機敏な攻撃性で最も感銘の深かったアーティストの音源であります。
フィーチャリングも含めた、もっとアーティスティックな幅の広い作風を想定していたのですが、実際は非リア充としてのルサンチマンの炸裂しまくった、なんとも可笑しくて愛らしい作品でした。半周りぐらい年下のアーティストですが、共感も深く、結構偏愛しています。
《ウェーイが飛び交》う世界への違和感とルサンチマンと自虐を並べ立てた「中学12年生」と「たりないふたり」は最も端的だけど、HipHopと外延シーンへの全方位的なDisをユーモアとカリカチュアにくるんだ「みんなちがって、みんないい」はタイトル含めたアイロニィが素敵だし、劈頭にあって抜群の機能性を発揮しているアッパーなアンセム、「合法的トビ方ノススメ」にも根底にルサンチマンは貫かれ、だからこそDrugともファム・ファタールとも語られる音楽への信仰がアゲてくれます。詞内容が反転する構成の妙、トラックのハマり方もこれ以上ないパーフェクトなアンセム、MVも素敵。
こないだ名古屋パルコ前でストリートライヴやってたらしくて見逃したことを後悔…動向を注視します。

たりないふたり

*1:《ブラック企業　Libraレコード／馬車馬働き　雀の涙／寒い懐に薄手のカーディガン／だからこの賞金は譲れはしないな》てあれ、ヤバすぎ。