我孫子武丸/田中啓文/牧野修『三人のゴーストハンター 国枝特殊警備ファイル』集英社文庫

ネタバレ注意。
三人の作家による、ゴーストハンターもののシリーズ連作。
「怪奇現象専門の警備会社」に持ち込まれる奇怪な事件を、それぞれの作家が主人公として立てたゴーストハンターが解決する連作短編。我孫子は役割を弁えたミステリ路線、田中はパワフルでお下劣、牧野はマッドに壊れていてと、それぞれキャラの立った作品が並んで、三人が楽しんで書いてるのが伝わります。なかなか幸福な共作企画で、エンタメとして正しいものではないでしょうか。まあ読んでてこっちがどんだけ愉しいかってのはまた別問題だけど…。
特に印象的だったのは田中の手になる「File.7 血まみれの貴婦人」。いくらなんでも、《「見たか、<月経冠>!」》(305p)ってのは最低すぎて笑った。
評価はC。