米津玄師 "2016 TOUR/音楽隊"

2016.1.22@Zepp Nagoya
『Bremen』のレコ発ツアー、キャパは前回ELLから一気に三倍のZepp
大きいハコに負けないだけの楽曲の充実はあって、何も心配していなかったけど、ライヴの世界観的にはやはりまだ若いなーとオヤジ臭いことを思った。特に前半、『Bremen』の曲をたたみかける流れだったけど、どうも曲をなぞるのに懸命なような印象があって…「フローライト」や「雨の街路に夜光蟲」あたりは単純にヴォーカルがキツそうで、そこは意地でも原曲のキー保ってほしいと思ったり。
でも「速い曲やります」との宣言からの「ゴーゴー幽霊船」*1「パンダヒーロー」の連打には爆発的な昂揚感があって、「ついてこれるかな?」という宣戦布告に違わぬロックヒーローぶり*2だったし、「メトロノーム」「アイネクライネ」の連打も確信犯的悩殺。全体として見守るテンションだったけど、何も考えずにアガれる瞬間も多かったです。
でもライヴの空間全体を捉えた中で、ベストの曲はアンコールの大ラス、「こころにくだもの」。曲前の長いMCに語られた真摯なメッセージと決意表明が、楽曲の閉じた世界観を広いZeppの空間全域に押し広げ、シンガロングはこの曲とこのライヴの真髄を衝いて実に感動的、今日ここで歌われるためにこの曲は存在したのだろうと自然に思われた。同期のチェックボックス外してたような曲だったけど、こういうライヴならではの表現と輝きが生まれる瞬間というのがあって、そのマジックは前回含めてももちろん随一だったな。
これからもきっと、こういう幸福な瞬間を生み出し続けてくれるだろうと、期待と信頼の育まれたあたたかなラストでした。
セットリスト:1.ウィルオウィスプ 2.アンビリーバーズ 3.再上映 4.フローライト 5.ミラージュソング 6.雨の街路に夜光蟲 7.メトロノーム 8.アイネクライネ 9.ゴーゴー幽霊船 10.パンダヒーロー 11.Undercover 12.Neon Sign 13.ドーナツホール 14.ホープランド 15.Blue Jasmine en. 1.Flowerwall 2.こころにくだもの

*1:今回はちゃんと「ワアワアワアワア」言えた。

*2:その意味では「ドーナツホール」も高機能だった。