『サンタ・サングレ 聖なる血』

DVD。
鬼才アレハンドロ・ホドロフスキーによるカルト・ホラー。
一人で観る映画はホラーやB級作に限定していて、昔綾辻行人のエッセィで憶えていた作品を今頃観たのですが。
なるほど確かに綾辻氏は偏愛しそうな、フリーキィな作品です。序盤のメインとなるサーカスの、侏儒の象使いだの全身刺青の女だの聾唖の白塗り少女だののフリークスたち、そこで起きる局部硫酸攻撃や両腕切断といったスプラッタ描写、物語を陰から操る血塗られた私製の聖女。それら「いかにも」な要素はしかし、B級的なチープさから来る奇妙な明るさと共に、確かに貫かれた美意識が醸す厳粛さの中にあって。
カルトの名にふさわしいトガった作品なので、逆にサイコホラー的なオチはベタでつまらないなあと思ってしまいましたが、フェニックスの病院の仲間たちのいろいろギリギリな描写、謎の巨漢女レスラーやその後のヴェール被った白塗り女の群れ、ストーリィではないところに顕れたフリーキィさを愉しめばいいのでしょう。アルマと再会したフェニックスの前にコンチャが立ち塞がるシーンのベタなビックリ演出にもベタにビビったけども。
アルマ役の娘(成長後)はちょっとエヴァーグリーンでした。エマ・ワトソンに似てた。

サンタ・サングレ/聖なる血 <HDニューマスター・デラックスエディション> [DVD]

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