米津玄師 「アンビリーバーズ」

4thシングル。
表題曲は、これまでで最もシンプルなポップ・ロック。アレンジ*1こそクセのあるエレクトロニカだけど、詞もほとんど比喩や寓意のない、ド直球にポジティブなメッセージを伝えていて、メロディと歌唱もそれに見合って、楽曲の昂揚感と疾走感に奉仕している。単純にかっこいいと思えるアンセム。いろいろ好き嫌いはあるだろうけど、俺はこういうシンプルなのも好きだわ、ライヴでアガれるだろうし。確かにもう少しフックが欲しいようには思うけど…。
c/wは二曲、「旅人電燈」は寓話調だけど、これ寓意と詞のキャラク*2も、メロディとその流れ、歌唱での導き方も、あまりにもバンプっぽくてちょっと笑ってしまった。「こころにくだもの」という子供の戯れ歌のようなイノセント曲も、バンプでよく聴いた(そしてチェックボックスを外す)類の曲だなあという気もして。影響受けたって前知識もあるし、声質の近似もイメージを固着させてるかもしれないけれど。
総じて、不満足な一枚というわけではないけど、アーティストとしてのオリジナリティや、必然性というものをあまり感じられなかったのはちょっと残念だったかな。アルバムアナウンスされたけど、どんなんなるやろ。

アンビリーバーズ スペシャルパッケージ盤 (限定盤)

アンビリーバーズ スペシャルパッケージ盤 (限定盤)

*1:もはや蔦谷好位置の「いい仕事」には言及の要なし。

*2:《見つめてるよ ぼくは今も/地球の上で光る星だ/誰も ぼくを 知らなくとも/まだ見ぬあなたのために光る》とか、めっちゃありそう。