サニーデイ・サービス 『LOVE ALBUM』

6thフル。

ぼくの大切なものにきみはくちびるよせて
甘く溶け出す秘密盗んでゆくんだ
(「夜のメロディ」)

日本歌謡史上最高のエロ歌謡と思われる「夜のメロディ」から幕を開ける本作は、そのまま「胸いっぱい」というこれも失恋テーマのポップソングとして史上屈指の名曲へと続きます。続く「万華鏡」も質の高いポップソングだし、その次は「恋は桃色」のカバー。INTERLUDEの後はベストにも入ってる「魔法」で、ポップアルバムとして隙がない。その後もそれぞれ聴きどころのある佳曲揃いで、「パレード」はシンプルなメッセージが感動的なラヴソングだし、「うぐいすないてる」の叙景性・抒情性はフォークソングとして非常に高い達成。
かように曽我部恵一というソングライタの才気が煥発どころか爆発したような珠玉のポップアルバムです。サニーデイはあまりオリジナルアルバム聴き込んでないので他作品との比較ができないけど、これを超えるアルバムなんてあるんかと思う。これを中古屋で250円で手に入れたなんてなんか申し訳なくてね…。
これだけの名盤でありながら、解散*1前のラストアルバム、レコーディング時点でバンドは崩壊していて、ドラムはレコーディング参加さえしてないとは俄かに信じ難いですが…やはり傑出した才能は不可避的に周囲との摩擦を生んでしまうのでしょうか。
まあ、結果オーライやで。

LOVE ALBUM

LOVE ALBUM

*1:結果的には活動休止。よかったよね。