山平重樹『連合赤軍物語 紅炎』徳間文庫

ネタバレ一応注意。
連合赤軍事件のノンフィクション・ノベル。
日本赤軍結成〜よど号〜山岳ベースと、一連の事件を広く概観するような内容。
「アサヒ芸能」連載という割には、下世話にならずに抑えるところ抑えてしっかりした内容だけど、内容としては既存の先行文献から引いただろうものが多く、新しい／独自の知見発見は特になかった。
本としてのキャラクタも、リンチの克明描写＆永田洋子disに血道を上げた『赤い雪』あたりと比べて弱く、どっちつかずに感じられはするけど、事件を左翼運動史の中で概観するにはこの程度でちょうどいいかもな。
でも大ラス、森恒夫の遺書の文句間違えてるのはいただけない。跳躍やで飛躍ちゃうで。
評価はＣ＋。

連合赤軍物語 紅炎 （プロミネンス） (徳間文庫)