ネタバレ注意。
「探偵小説芸術論」で名前だけは知ってた作者の実作。直木賞獲ってんだって。
最初はお金持ちのお家騒動ものかと思ってたら、なんか左翼運動とか絡んでくるし、主人公はロシアに旅立って写真なんか挿入して紀行趣味出しちゃうし、その流れではなかなかせつないラヴロマンス薫らせたりで、なかなか目まぐるしかった。文芸作品としての充実は、いかにも「探偵小説芸術論」の提唱者らしい。
…とか言ってそれなりに満足して読み終えたら、解説の北村薫が本格としては失敗作と断じてて*1笑った。本格としての結構は確かにどっちらけだったな…暗号なんてこんなもん、ハナから無理だろ。
評価はB−。
- 作者: 木々高太郎
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1988/07
- メディア: 文庫
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*1:実際はもっと多面的で深みのある解釈の中でだけどね。